百匹目の猿現象

宮崎県串間市の幸島に棲息する猿の一頭がイモを洗って食べるようになり、
同行動を取る猿の数が閾値を超えたときその行動が群れ全体に広がり、
さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れでも
突然この行動が見られるようになったという。


「ある行動、考えなどが、ある一定数を超えると、接触のない同類の仲間にも伝播する」
という現象のこと。


宮崎県串間市の石波海岸から200メートルほど離れたところに、「幸島」と呼ばれる小さな島がある。

この島では1948年に京都大学の研究グループがニホンザルの観測を開始。
52年にはサツマイモの餌付けに成功。
翌53年には「イモ」と名付けられた当時1歳半のメス猿が
それまでどの猿も行わなかった「砂のついたサツマイモを川の水で洗う」という画期的な行動を発明した。


この行動はやがて少しずつ群れの中へ伝わっていく。
するとある日、幸島でサツマイモを洗うニホンザルが臨界値(例として「100匹」)を超えたとき、不可思議な出来事が突然起こった。

それまで数年かけて少しずつ広まっていった芋洗い行動が、この臨界値を超えた途端、まるでテレパシーでも使ったかのように幸島の群れ全体に一瞬で広まった。

この行動は幸島から200キロ以上も離れた大分県の高崎山の猿の群れや、そのほか日本全国にあった猿の群れにも広まっていた。

生き物はみんな繋がっているのではないのか。


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